市民の実践例

作品タイトル 気おくれしてたけど地域活動やってみました!!平成29年度 特別賞 受賞武村 純一 さん

 ここでは,平成29年度「真のワーク・ライフ・バランス」実践エピソード表彰において,特別賞を受賞された,武村純一さんのエピソードについて紹介します。

気おくれしてたけど地域活動やってみました!!

「自分の住んでいるマチを良くしたい。でも,マチの課題は何?それを,だれと,どうやって解決するの?」全てが未知の世界でした。そもそも,「自分の住んでいるマチを良くしたい。」なんて,今まで思ってもいませんでした。恐らく,それは,共働きで仕事と育児に追われ,自分のマチのことを振り返らなかったからであると思います。

 しかし,長女が大学生,長男が中学生になった3年くらい前から,育児に必要とされる時間が少なくなってきました。正直,少し寂しかったですが…。そのころから,「自分の住んでいるマチを良くしたい。この子たちのためにも良くしていきたい。」という思いが大きくなってきました。しかし,「課題は?だれと,どうやって?」という思いと,地域で活動するなんて恥ずかしいし,本音を言えば,ちょっとめんどくさいのとちゃう?…という思いがあり,気おくれしていました。

 そんな時,たまたま見つけた公益財団法人が主催する,地域課題に取り組むリーダーを育成する塾に思い切って参加し,団体職員,システムエンジニア,建築家,主婦といった様々な分野から集まったメンバーで,地域課題解決のために現在,活動しています。

 活動拠点は,残念ながら京都ではないのですが,滋賀県の緑が豊かな中山間地です。

 そこでの活動は,地域資源である森林と林業を活かし,地域課題である雇用の創出や,地域の活性化を促す活動を行っています。それは,自伐隊を形成し放棄状態にある森林整備を行い,そこから出る,木材を製材所で製材し,大工作業所で二次製品を製作し,販売するといったものです。そして,販売により得た対価を,地域に還元する地域自立・循環型のまちづくりを促す活動です。

 具体的に現在は,木造の小屋などを組み立てることができる二次製品のプロトタイプ(試作品)の製作とそのプロモーションビデオの作成などを行っています。メンバー自らが,地域の方から借りた製材所に出向き,電気ノコギリや電気カンナを使い二次製品のプロトタイプの製作などをしています。作業が終わった後は,ヘトヘトに疲れますが,なぜか毎回気分爽快で帰路についています。

 一人では心もとなくて,出来そうにないことも,同じ思いを持つ仲間がいれば勇気が沸きでてくることと,自分だけでは小さなことしかできないけれど,その小さなことも仲間と力を合わせれば成しえることが多くなることを感じています。

 本来は,自分のマチを活動拠点にして,マチの課題を解決するべきと思っていますが,今はこの活動で地域課題解決のノウハウを自分のものにしたいと思います。そして,ノウハウを身に着けたうえで,近い将来,自分のマチで活動を実践していきたいと考えています。

 自分の時間が充実することにより,マチを見直すことができ,やりがいのある活動ができている今,改めて,自分の時間を充実させることの大切さを実感しています。