市民の実践例

若者が参加しやすい地域活動を目指して!キャリア20 年のベテランスポーツ推進委員京都市スポーツ推進委員中村 正樹 さん

 20 代の頃から,スポーツ推進委員として南区を中心に京都市のスポーツイベントを支えてきた中村さん。苦労することもあったけど,続けてきてよかったと言います。地域に貢献することで得られるやりがいや今後の目標などを,中村さんにうかがってきました。

【中村正樹さんプロフィール】
 
京都市南区のスポーツ推進委員として,主に南区で開催されるスポーツ大会の運営を行うほか,地元の体育振興会役員としても活動し,スポーツ教室の指導員などを務める。地域の消防団にも所属。2児の父。

 

若者が参加しやすい地域活動を目指して!キャリア20 年のベテランスポーツ推進委員

◆20年以上続けられたのは やりがいがあるから◆
  「若い方からお年寄りまで集う地域のスポーツ大会や教室が,住民の交流の場になればと考えています。そのために,ひとりでも多くの方に参加して欲しい」と語る中村さん。参加者の方につまらなかったと言われ,その後参加してもらえなかった経験から,誰でも溶け込みやすい雰囲気づくりに努めてきたと言います。
 決して楽ではないという,スポーツ推進委員の仕事を20年以上務めてきた中村さん。委員の仕事のため,子どもの運動会の応援に行けなかったこともあったと言います。それでも委員をずっと続けてこられた理由とは。
 「やりがいを感じる瞬間があって,楽しみながら活動できているからでしょうね。参加した方に楽しかったと言われたり,感謝されれば励みになります。大会をきっかけにしてスポーツ教室に通い始めたお年寄りが,若い方に優しく指導してもらう姿を見られたりすると,また嬉しくなりますね」とスポーツを通して,老若男女の垣根を越えた交流が広がっていくことが,中村さんの気持ちを支えてきたと話します。また,家族の理解と協力も,地域活動を続けてこられた理由のひとつと言います。

◆広がる交友関係。仕事にプラスな面も◆
 仕事とスポーツ推進委員の他に,消防団員としても活躍する中村さん。どれも積極的に取り組むからこそ,得られる相乗効果があると言います。
 「地域活動や趣味などの仕事以外での充実した時間が,働く活力になりますね。大会に向けての審判講習会や消防団の活動は,主に平日の夜に開催されるので,間に合わせようと仕事の効率も上がります」と語る中村さんは,地域活動から得た人とのつながりも,仕事に良い影響を与えたと続けます。
 「推進委員を長年やっていると,自然と交友関係が広がります。そこで親しくなった方から,仕事をいただいたことも。地元で働いているので,そうしたメリットもあります」と中村さんは,地域活動の効果を実感しています。

◆若者の地域参加が 今後の目標◆
 今はスポーツ推進委員の後継者を探すことに,苦労していると語る中村さん。新しく委員となる方がいないために,通常任期2年のところを,30年以上務める方もいるのだとか。
 「推進委員のスポーツ大会当日の主な仕事は,審判員。でも審判員を務めると選手として競技に参加できない規則があるため,若者には敬遠されていますね。大会に向けての講習会が平日の夜に行われていることも,仕事との両立を難しくさせています。そういった点を改善できれば」と中村さんは,今後は推進委員を続けやすい環境を整えていくことも,課題だと考えています。
 現在,委員を務めている方にも,少しでも長く続けてもらうように配慮している点があると言います。「推進委員会の正式な場では,なかなか発言しにくい。ですから率直な意見や不満を言いやすいように,お酒の場を設けています。そこでは思わぬ本音が聞けることも。メンバーが何を考えているか把握できれば,改善できることもありますから」とベテランの中村さんならではの気づかいがうかがえます。

◆地域に貢献すれば,必ず自分に返ってくる◆
 スポーツ推進委員としてだけではなく,地域の父親としても,近所の若者を育てていきたいと語る中村さん。「自分が若い頃,地域の年上の方々に,育ててもらったという思いがあります。今度は自分がその役をできれば」と笑顔で話します。
 そんな中村さんが,地域活動から遠ざかりがちな若者に伝えたいこととは。「仕事上でのメリットだけではなく,やりがいも大きな喜び。地元のために頑張ったことは,必ず自分にとってプラスになりますよ」とメッセージを語ってくれました。

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(*2013年3月発行 “別冊 男女共同参画通信ー「真のワーク・ライフ・バランス」-”より)