企業の実践例

平成25年度「真のワーク・ライフ・バランス」推進企業 市長賞 英興株式会社英興株式会社エイコウカブシキガイシャ

平成25年度の表彰企業である英興株式会社が行う働きやすい職場づくりや、社員の方の働き方についてお話をうかがいました。

取締役業務部長福原一彦さん

まずは社員一人ひとりの事情を知ることから

 「ワーク・ライフ・バランスという言葉を特に意識して職場づくりを行っているわけではありませんが、社員の置かれている状況には柔軟に対応し、必要なサポートを行っています」と語るのは、取締役業務部長の福原一彦さん。男性社員の割合が高い職場において、男性でも育児、介護に参加しやすいように休暇制度の積極的利用を呼びかけるだけではなく、法定日数を超える休暇取得も認めていると言います。
 「夫婦共働きの社員が多いので、家族に何かあったときには男性でもすぐ帰れるように体制を整えています」と、福原さんは女性が働きやすい職場環境を整えるためにも、男性の家事、育児参加を推進したいと考えています。社員のワーク・ライフ・バランスを進めていくうえで、今後は社員のメンタルヘルスにも重点を置いていきたいそう。
 「社員がうつ病になったときには、他の社員が病気を理解するために、外部からカウンセラーを招いて講習を行いました。その結果、社員の異変に周囲が気づけるようになりましたね」。今後もストレスチェックなどを行い予防に努めていきたいと、意気込みを語ってくれました。

検査室長田中聖子さん

相談しやすい雰囲気でベストな働き方を選択

 約15年前に入社し、現在は検査室長を任されている田中聖子さん。一度退社しているそうですが、復帰を決めたのは会社が田中さんの事情を考慮してくれたことが大きいと話します。
 「交通の便が悪く、就業開始時間に間に合わないことを相談し、パートとして仕事を再開しました。それまで社内ではパートで働いた前例がなかったのですが、相談したら柔軟に対応してくれましたね」。社内には上司に相談しづらい雰囲気はなく、事情を考慮してくれるという安心感があるそう。今では正社員として検査室長を務め、家事との両立に奮闘していると語る田中さんが、望んでいることとは。
 「会社の休暇制度などは充分に整っていると感じます。しかし今後は社内でたくさんの女性に活躍してほしいので、より女性の働きやすい職場づくりを目指してほしいですね」と、男性の多い職場で働く女性ならではの意見を語ってくれました。

切断研削グループ高橋和雄さん

介護と向き合うためには周囲の理解が不可欠

 会社に入って30年のベテラン、高橋和雄さんは母親のために、介護休暇を度々利用したと語ります。
 「認知症の母親の面倒を見るために、仕事の途中で抜け出したり,2,3日連続で休まないといけないこともありました。でも周囲がフォローしてくれる体制にあったので、安心して休むことができたのだと思います」と高橋さんは、制度の整備だけではなく、周りの理解の必要性も実感しています。
 いざというときに介護休暇を取得するために、日頃から上司に家庭の事情を相談していたと話す高橋さん。年間の取得日数を越えても、必要に応じて休暇を認められてきたと話します。
 「終わりの見えない介護と向き合っていくには、会社と家族の協力が不可欠ですね。3人の子どもを育てるのは妻に任せっきりでしたが、介護は可能な限り、私が行いました。介護は体力も要るため男性の力が求められますので」。
 介護をする男性が増えつつある社会において、仕事と両立するため会社のバックアップが増々必要とされます。

MC研削グループ松本達也さん

大切なのは社員同士のコミュニケーション

 松本達也さんは4歳と1歳の2児の父親。いわゆるイクメンというわけではないと語りますが、子どもたちのために何度も看護休暇を取得しているそう。
 「子どもの健康診断や予防接種の時に休暇を利用しています。共働きなので、お互いの仕事状況をみて、幼稚園の送り迎えなどをすることもあります」。同じ部署で看護休暇を利用している男性社員もいるそうで、男性だからといって看護休暇をとりづらい雰囲気はないと語ります。
 しかし、休暇制度を利用するうえで、社員同士のコミュニケーションは不可欠だと言います。制度の整備と同様、雰囲気づくりも社員のワーク・ライフ・バランスを進めるためには重要だと伝わってきました。

英興株式会社

事業内容 石英加工,半導体関連製品販売
本社 京都市伏見区下鳥羽六反長町123
HP http://www.eikoh-kk.co.jp/