市民の実践例

平成28年度「真のワーク・ライフ・バランス」実践エピソード表彰 市長賞「制度と時間を活用しよう(賞)」受賞正木瑠璃さん

 ここでは,平成28年度「真のワーク・ライフ・バランス」実践エピソード表彰で「制度と時間を活用しよう(賞)」を受賞された,正木瑠璃さんのエピソードについて紹介します。

市長賞 「制度と仕事を活用しよう(賞)」

 日々当たり前のように家族が仕事や家事,学業に勤しみ,健やかに過ごすことは,誰もが願って止まないところだと思う。でも,もし病などでその理想が崩れてしまっても,早まって何かを断念する必要はない。親族内でフォローし合ったり,社会保障制度を活用すれば,両立は十分可能と感じる。

 年中児の長男を育てる傍ら,同じ市内で9年間,要介護5の父を在宅介護する母を恒常的にフォローしている。ヘルパー派遣や往診,デイサービスやショートステイ等,使える制度は何でも使う。母が体調を崩した時や所用でどうしても帰宅時の受け入れや,ショートステイへの送迎に付き添えない時は,私が有給休暇を利用して対応。できる範囲内で母が体調を崩した時は家事や雑務も手伝うようにしている。逆に私がフルタイムで働けるようにと,朝ヘルパーさんが父の介護を担っている間を見計らって長男を保育園に送り届けてくれている。

 急に何が起こるか分からない中で,私はいつしか早朝時間を活用する生活を始めた。きっかけは数年前にどうしても仕事に関連する通関士資格を取りたくて,何とか勉強時間を確保したいと思ったからだ。朝は4時台に起床し,家事を始める6時頃までは今も早朝学習に充てている。取得した通関士資格の知識に更に磨きをかけて,時間で貢献できない分,効率を上げて何とか職場でも役立てればという気持ちが強い。そして家を出る7時までの1時間は朝食を取ったり,夕食の下準備に充てている。朝の早い時間になるべく前倒して済ませておけば,急に実家からヘルプの電話が入った時にでも臨機応変に対応し易い。

 もう一つ心掛けているのは育児も介護も特定の人だけで抱え込まないことだ。夫が平日に代休を取得している時や,遅出シフトの時は長男の送迎等を任せているし,クラスの有志のパパ会にも積極的に参加して交流を深めてくれている。

 また同じ市内に住む二人の妹とも連携を密にして,誰か一人だけで対応できない時は,お互いが半日休暇を午前午後に交代で取ったりして対応できるよう協力体制を敷いている。

 待機児童や,介護離職等,労働意欲があるのに両立がかなわない人が多く出ていることが社会問題となっている。一助になればと我が家の事例を参考に記した。