企業の実践例

データ管理システムを導入しました!株式会社阪村エンジニアリングカブシキガイシャ サカムラエンジニアリング

京都市が令和2年度に実施した「中小企業等IT利活用支援事業」の支援を受け,金型をデータ管理するシステムを導入されました阪村エンジニアリング様に,IT化のきっかけや導入された効果,IT化以外の働き方改革への取組などを取材させていただきましたので,紹介いたします。

どのような事業をされているのでしょうか。

主に国内外の自動車部品メーカー向けに金型の設計と製造を行っており,経営理念を「THE PIONEER OF THE NEW VALUE」とし,常に新しい価値の創造に挑戦し,新しいサービスをお客様にお届けし,社会・業界に貢献することが唯一最大の使命だと考え,日々事業活動を行っています。

IT利活用支援事業を申請されたきっかけは。

金型の製造を受注した際,過去受注履歴から,仕入先,仕入・販売価格,図面を確認します。

しかし,今までは,過去受注履歴を紙ベースで保管していたため,営業担当者等が記憶を頼りに膨大なファイルからかなりの時間をかけ調べていました。

一方,同業種の企業がデータベースでの管理システムを開発されたことから,当社でも管理システムを導入したいと思い,IT専門家による助言とシステム導入費用の補助が受けられるIT利活用支援事業に申請することとしました。

導入した効果は。

システムの導入により,客先名や型番などのキーワードから誰でも過去受注の詳細が見れるようになり,確認作業の時間が大幅に短縮しました。

また,顧客との打合せでもデータが確認できるようになることで,打合せがスムーズになり,受注獲得の推進にもつながっていると思います。

※ 執務室の様子。パソコンからシステムを使い,誰でも過去受注の詳細が検索可能に。

IT化以外でどのような働き方改革に取り組まれていますか。

元々,新規採用者の定着率が悪いことや長時間残業削減が大きな課題であり,定時に帰れて,ご飯を子どもと食べれる環境で働けるよう働き方改革の必要性を感じていました。そのため,様々な働き方改革を進め,長く働き続けられる職場環境整備に取り組みました。

例えば,残業が減っても手取りが減らないよう一定額を給与に上乗せしたうえでの残業の上限規制導入,若い人ほど給与の伸び率が高くなる給与制度への改正等を行いました。

また,1時間単位の有給休暇,昼食の提供,パート社員の自由出勤制度(※),作業ロボットの導入なども行っています。

※ 自由出勤制度:出勤日・時間を自由に決められる制度。休む際もアプリ等で手軽に報告可能にすることで,休暇報告へのハードルを引き下げている。

その結果,定着率が大幅に向上し,働き方改革実施前と比べて注文数もかなり増えている状況であるにもかかわらず残業時間は減っています。

また,以前は中途採用の方の割合が高かったのが,近年は高卒で入社される方など若い人の入社が増え,社員の平均年齢もかなり下がってきています。

※ 作業ロボットの様子。左の台に部品を置けば,アームが自動的に運び,鏡面仕上げを行う。

働き方改革を進めるポイントは。

経営者と従業員のコミュニケーションは大切です。

例えば作業ロボットを導入しようとした際,仕事を奪われるという印象から抵抗感を持つ従業員もいました。ただ,作業ロボットを導入することで仕事(成果)が奪われるわけではなく,作業ロボットにより生産性が上がり,新たに生まれた成果も従業員の成果になる。従業員の負担は減るが給与が下がるわけではない。そういった内容をしっかり説明することで従業員にも理解していただけたと思います。

当社では,経営者がリスクを取って積極的に設備投資や給与制度改定等を行ったことで,従業員もその思いに応えるよう意識が変化していったと思います。

※ 食堂の様子。従業員が快適に過ごせるよう改修した。

株式会社阪村エンジニアリング

事業内容 冷間鍛造金型の設計・製造・販売、ソフトウェアの販売
本社 京都市伏見区淀木津町416
HP https://www.sakamura-eng.co.jp/