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更新:2022年1月4日京都里山SDGsラボ「ことす(KOTOS)」がオープン!

この度,京都市では,北部山間地域の地域連携・テレワーク拠点となる「京都里山SDGsラボ「ことす(KOTOS)」」を豊かな自然環境に囲まれた右京区京北地域に開設しました。

ここでは,施設の内容について紹介させていただきます。

施設の概要

(写真提供:福元 宏徳様)

京北地域をはじめ北部山間地域の持続的発展に向けて,定住人口及び関係人口の確保や交流促進を図るため,元京北第一小学校を改修し整備したものです。

「地域」・「共創」・「発信」の3つのコンセプトがあります。

<地域>京北・北部山間地域を,ゆとりと快適が共存する場所へ

<共創>新しい価値の創出,持続可能性,SDGs教育・研究拠点へ

<発信>日本,そして世界のSDGsモデルに

また,豊かな自然環境を活かしたテレワークやワーケーションの拠点となる「テレワークエリア」と,木の文化の発信や食,健康等をキーワードに様々な共創や地域との交流が生まれる「クリエイティブエリア」で構成されています。

テレワークエリアについて

貸オフィス

小学校の教室をリノベーション。インターネット環境も整っています。テレワークとしても,企業のショールームとしても利用できます。

※ 写真は入居されている株式会社リコーさんのオフィスを撮影させていただいたものです。

サイレントルーム

静かな空間でのテレワークが可能なエリアです。テーブルには地元の磨き丸太の北山杉を圧縮して加工したものを使用しており,木目が非常に特徴的です。

レンタル会議室

オンライン会議等に利用できます。

受付・コミュニティルーム

利用者の受付兼コミュニティルーム。コワーキングスペースとして利用できるスペースのほか,地域の方々も含め,様々な業種の方が交流できるスペースとなっています。

(写真に写っている方々のインタビューも掲載しています。最後まで御覧ください!)

クリエイティブエリアについて

DXスタジオ

音楽室をリノベーション。動画や写真の撮影,配信ができる簡単な機器を導入し,京北地域からYouTube(※)などで情報発信する拠点となります。大型のスクリーンにて,映画鑑賞会なども可能です。

※ YouTubeは,Google Inc.の登録商標です。

キッチンラボ

調理室をリノベーション。料理教室などに利用できます。

アップサイクルファブラボ

不要となった物に新しいアイデアや加工を加え,新しい価値を創り出す「アップサイクル」をテーマに,木工や手芸ができるエリアです。作業音を気にせず作業できます。また,専用のロッカーを借りれば,スペースを取るため家に置きづらいこともある工具類を置くこともできます。

アップサイクルギャラリー

多目的ホールをリノベーション。現在は,京北をはじめ,京都市北部山間地域に伝わるお祭りや暮らしなどの文化を紹介する京都里山めぐる展を実施しています。

(写真提供:ことす運営事務局及び関係者の皆様)

今後,全国・全世界のアップサイクル(不要なものなどから,より価値の高いものへとリメイク・リサイクルする取り組み)を紹介していきます。

その他

リシンクホール(セミナールーム)

(写真提供:福元 宏徳様)

様々な方が集い,「視点を変えて共に考え,行動を起こす部屋(”Rethinkする部屋”)」として「リシンクホール(Rethink HALL)」という愛称が命名されました。

イベント,講演会,ワークショップなどに利用できます。催事がない場合は,コワーキングスペースとして利用できます。

インタビュー

一般社団法人里山デザイン 福元 宏徳さん(京都里山SDGsラボ運営協議会 事務局リーダー)

京都里山SDGsラボ運営協議会事務局リーダーの福元さんにことすの内容についてお話を伺いました。

ことすはどのような方が利用されていますか。

様々な方が利用されます。地元の方も利用されますし,企業,大学の方が研修やセミナーとして利用されることもあります。

ことすでどのような取組をされていますか。

SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに,テレワークやワーケーション,また,木の文化の発信や食,健康等をキーワードとした様々な共創や地域との交流の場を提供しています。

また,様々なワークショップ等も開催しており,例えば,毎月1回第4土曜日には,家に眠っている物と欲しい人をつなげ,”物と価値と思い”を循環させる市場である「京北めぐる市」を開催しています。先月開催した際は,キッチンラボで作った鹿肉のハヤシライスなども提供し,大変好評でした。

また,コミュニティルームは利用される方がミーティング等できる場になっており,黒板にことすで実施したい様々なアイディアを書きこんでいただいています。先日も,そういったアイディアを踏まえ,地域の方々が子ども服のリユースコーナーを作ってくれました。

今後ことすでどのようなことを目指されますか。

多様なバックグラウンドの方々との交流により共創・変革の流れを創り出すことで,地域の社会課題の解決を目指し,持続可能な中山間地域モデルを実現したいと思います。

ことすのある京北地域の人口は,現在4,500人程度ですが,年間100人ほど減っています。京北地域の周辺にある北区,左京区,右京区の北部山間地域においても,同様に高齢化や人口減少が進んでいます。ことすを通じ,それぞれの地域と多様に関わる「関係人口」を増やしていくことで,地域を楽しく盛り上げていきたいと思っています。

株式会社リコー 濵野 敏寛さん

運営協議会に参画されており,実際にことすにも入居されている株式会社リコーの濵野さんにお話しを伺いました。

ことすで仕事をすることになったきっかけは。

私が所属している株式会社リコーは,SDGsの社会実装を目指す「京都超SDGsコンソーシアム」に参画していた縁もあって,ことすの運営協議会に参加させていただくことになりました。

また,地域の方も含む様々な方と交流しながら,他の企業や団体と新たなつながりをつくり,新規ビジネスチャンスの模索する場と位置付け,ことすに入居させていただきました。

こちらのオフィスではどのようなことをされているのでしょうか。

週に3,4日テレワークをしています。また,来館者の方への商品のショールームとしても使用しています。

このオフィスで利用している当社の「RICOH Smart MES 照明・空調制御システム」は,快適性や利便性を向上させながら,省エネを実現するものとなっています。例えば照明でしたら,時間帯により自動で調光でき,夕方には暗く,夜には消えるようになっています。

実際に働かれて良かったことは何でしょうか。

当社が開発した環境についての新規技術の地域における実証実験の場とできたことです。また,豊かな自然に囲まれた環境で仕事をすることで気分転換にもなりますし,地域の方々と交流できることで,新しい発想を得る機会にもなります。

福元さん,濵野さん,取材にご協力いただきましてありがとうございました。

施設の詳しい内容については,「ことす」のホームページを御覧ください。